ケース紹介

コーチングは京大生を主として様々な状況に置かれている大学生年齢の方を対象に実施しています。ご参考までにそのうちの幾つかのケースをご紹介します。(同じようなタイプの学生をひとつのケースにまとめている場合があります。)

京大工学部生Aくん

AくんはIQ150を超えていて処理速度が非常に早いのですが、認知特性がアンバランスでうっかり忘れが非常に多い学生でした。大学1年目は単位0、大学2年目からコーチングを始めましたが、週1回の関わりだけではなかなか効果があがりませんでした。より踏み込んだ関わりが必要であることがわかったので、課題やテストに関しての情報を逐一チェックしてリマインドするようにし、学習計画も一緒に立てていきました。また、同じ学部学科に所属する先輩学生の授業を受けてもらいました。その結果、徐々に履修単位が増えて卒業が見込めるまでになりました。今では専門科目が面白いと言えるまで自信をつけ、将来やりたいことも明確になっています。

京大総合人間学部Bくん

Bくんは物事の背景をじっくり考えるタイプの素晴らしい学生ですが、考えすぎて動けなくなってしまう場面が多々在りました。留年を重ねていたのですが、こういう悩み多き期間が人を成長させる側面もあると私は思っています。何度もコーチング的な関わりをしていく中で、頭が整理され次に何をしたらよいのかがはっきりして行動に移れるようになってきました。就職先が決まったと報告を受けたときは本当に嬉しかったです。Bくんには家庭教師として広汎性発達障害の不登校生を長い間担当してもらっていますので、その生徒にもきっと良き影響を与えられたことでしょう。

立命館大学理工学部Cくん

Cくんは能力はあるのですが習得までに時間がかかるゆっくりタイプの学生した小中高と長年に渡り家庭教師を派遣してきましたが、大学に入ってからも工学部や理学部を始めとした京大生がサポートにつきました。サポートなしでは留年をして本人のペースで積み重ねていったことと思いますが、無事4年で卒業を果たすことができました。メンタル面で不安定なところもありましたが、カウンセリング的な関わりにより落ち着いて勉学できたことも大きかったと思います。卒業後の歩みも心より応援しています。

京大工学部Dくん

Dくんは至って真面目で能力も申し分ないのですが、主体性に欠けるところがあり切羽詰まると誤魔化す癖もありました。そのことが災いして大学5年間で数十単位しか取れておらず、そもそも卒業すること自体が厳しい状況にありました。当面の目標は特別研究に着手するための条件(112単位)をあと2年間で満たすことでした。そこで、(半年間休学して予習+復学して1年授業)を2回繰り返すことで足掛け3年で条件達成を目指すことを提案して実行に移しました。Dくんは何度も似た状況でつまずくのですが、その度に振り返りを行って自分を見つめ直してもらうことにより徐々に主体性が出てきましたコーチングと家庭教師陣の協力により奇跡的に100単位を超えましたが、残念ながら研究室配属が叶いませんでした。でも3年間必死に頑張れたことが自信となり、次の目標を立てて前向きに積極的に歩んでいます。

京都コンピュータ学院に進学したEくん

Eくんは自閉症スペクトラムの傾向があり、ポテンシャルはあるもののとても繊細でパニックに陥ることもありました。中学から不登校で通信制高校でもオンラインでしたので、唯一外部の関わる存在としてコーチングを行ってきました。認知や考え方が独特であり、私としては個性的で面白いと思いますが本人にとっては悩みのタネでした。そういう日々の違和感などのお話を徹底的に聞いて、私がこれまで関わってきた発達障害の学生の事例もお話をしていくことで、自分自身を客観的に見れるようになっていきました。勉強面では基礎学力が不足していたので中学数学・英語の勉強も一緒に進めました。その後紆余曲折はありましたが、コーチが情報学科出身だったことも影響して京都コンピュータ学院に進学することに決めました。専門学校に入ってからは課題もこなして順調に単位を取れています。