これまでの経緯とコーチングの有用性
シリウスの活動は、2007年に軽度発達障害の子どもたち専門の塾から始まりました。同時期に京大生家庭教師シリウスを立ち上げ、15年以上に渡り様々な困難さを抱える子どもたちに家庭教師派遣をしてきました。子どもたちの中には大学生となったものの、彼ら特有の認知の問題によって大学の単位取得が進まないケースも多々ありました。そのようなケースでは、大学の専門的な学習内容を守備範囲の広い京大生が学習サポートしてきました。
学習サポートと並行して、定期的に振り返りを行い今後やるべきことを明確にしていくコーチングが有効であることもわかってきました。高校まではカリキュラムがしっかり組まれていますが、大学からは自由度が格段に増すために方向性を見失ってしまうタイプの学生もいます。そのようなときには定期的な振り返りを行って、何をどのくらいやってこれたかを見返すだけで自分を客観視できるようになります。そして次なる行動に移ろうという前向きな力が湧いてくるのです。
実際に2019年から、京大工学部保健室の先生と連携して、単位取得が滞っている京大生のコーチング活動を始めました。知能指数が高い学生でも、日常生活や社会性、スケジュール管理などの面で想像以上の困難さを抱えているケースが多々あります。学内には障害学生支援機構があり各種相談に乗ってもらえますが、学生を「支援の対象」ではなく「学びや研究の主体者」と見ているため、主体的に動けるタイプの学生でないと十分な支援を受けることができません。つまり、踏み込んだ支援が必要な学生に対するサポート態勢が存在しないのです。そこで、保健室が間を取り持って、学生本人と親御さん、シリウスコーチと家庭教師、支援機構、事務室、教官が緩やかな連携を取って学生たちを支援して成果をあげてきました。
2020年からは立命館大学の学生、その他にも京都大学を目指す受験生や小中高に渡って不登校の青年、長らく引きこもっている青年などに対するコーチングも行っています。基本的には大学生年齢を対象としていますが、例外的に不登校の小学生に対するプログラミング授業も行っています。特性のある子どもたちには特に、社会に出て活躍していけるスキルを小さいうちから身につけることは有益だと考えています。受け入れ可能かどうかはケースによりますので、フォームからお問い合わせください。
シリウスコーチについて
シリウス代表(シリウスコーチ)は1995年に京都大学工学部情報学科に入学し計算機科学コースにて主にコンピュータの仕組みやプログラミングなどについて学びました。その後大学を卒業して大学院情報学研究科に進学して医用画像処理分野の研究を行いました。並行してNPO法人京都教育サポートセンターというフリースクールのスタッフ兼理事となります。自身も集団生活での違和感を感じて学校に行きづらかった時期もありましたので、不登校や発達障害の子どもや青年たちと関わって何かしら役立ちたいと思ったわけです。そこでの経験を活かして2007年からシリウスの活動(京大生家庭教師シリウスなど)を始めた経緯があります。
2016年からコーチングを学び始めプロコーチ養成スクールで半年間学んだ後、コーチング的な関わりを事業の中に組み込んでいきました。2019年からは実質的なコーチング活動を始めました。活動を通じて関ってきたのは、IQが高い部類の困難を抱えた子ども・青年たちです。京大生の中にも他人に理解されにくい生来の生きづらさを感じている人がいますし、私もそのうちの一人でした。同じようなタイプの青年たちのサポートをさせていただけることに生きがいを感じています。
2024年4月からは新設の財団法人において、大学院生への奨学金給付事業や環境保全事業にも関わることとなっています。特に環境保全事業においては、個人的に長年親しんできた自然農をベースとして亀岡の地で畑作りをしています。教育啓蒙活動にもつなげていきたいと考えていますので、学生たちにも体験の場を提供していくつもりです。